おしゃぶり

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おしゃぶり

おしゃぶりの矯正力

歯科診療には、不適切な歯並びを理想的な形に矯正し美しい歯並びにする歯列矯正治療があります。 歯列矯正治療では、細い針金やゴム・シリコン・バネなどの弾力や伸縮力を用いて、長時間に渡って弱い力を与え続けることで、歯の植わっている骨を少しずつ変形させて、歯を適切な位置に移動させていきます。

歯列矯正治療を行う場合、顎や骨が完全に成長しきっている大人になってから行うよりも、成長過程で顎や骨の柔らかい子供のうちに行う方が、後戻りもしにくく、わずかな力で移動させることができるうえ、歯の移動も早いので負担も少なくてすみます。 

おしゃぶりによる開口

おしゃぶりの素材として一般的に使われているのは、ゴムやシリコンです。 これらの素材は、歯列矯正で使用するものと同様の弾力や伸縮力があります。 更におしゃぶりを使用する機会が最も多い新生児・乳幼児期は、急激な成長過程にあるため、顎や骨は柔らかく変化しやすい状態です。

つまり、おしゃぶりを長時間に渡って使用していると、その弾力や伸縮力が歯列矯正のような働きをするため、歯列や顎が変形してしまうのです。
また、常におしゃぶりが口唇の間にある状態は、口唇や舌の成長バランスも壊してしまうため、歯列の不正だけでなく、様々な弊害が生まれてしまう可能性があります。

おしゃぶりの利点と欠点

最近では、おしゃぶりの宣伝に「鼻呼吸や舌や顎の発達を促進する。」などという言葉を見かけますが、これは現時点では学問的に検証されていません。 逆に、小児歯科学会や小児科学会の会員で作られている『小児科と小児歯科の保健検討委員会』では、おしゃぶりを長時間に渡って使用することの危険性を訴えています。

赤ちゃんが泣いてしまった時の泣き止ます手段として、寝かしつけるときの安心させる手段として、おしゃぶりはとても便利な育児アイテムではありますが、利点と欠点を良く理解して、充分に注意して使用しましょう。

おしゃぶりの主な利点は、使用することで簡単に泣き止んだり静かになるなど精神的に安定させることができる点。眠るときに使用すると、眠りに入りやすくなる点。 お母さんの子育てのストレスを軽減させることができる点などがあります。
  欠点は一度使用すると癖になりやすく、冒頭でもお話したお通り、長期間に渡って使用を続けていると噛みあわせが悪くなり、上下の前歯の間に隙間が出来てしまう『開咬(かいこう)』になってしまう確立が高い点。 最近では、おしゃぶりを使用したことで子供の噛み合わせが悪くなったとして、お母さんが販売元のベビー用品メーカーを訴えた例もあるくらいです。 また、「なぜ泣いているのかを親が考えなくなる」「発語の機会が減る」「あやす機会が減る」など、親子にとって欠かすことの出来ないふれあいの機会を奪ってしまう点などもあげられます。

 

おしゃぶりがお勉強の邪魔をする

生後4〜5ヶ月くらいになると、赤ちゃんはそばにあるものを何でも口の中に持っていってしゃぶります。 これは赤ちゃんが色々なものを目で見て、手で触って、口に入れて、目に映った映像と、手や口での感じ方や感触を学習すると共に、それがどんなものなのか、形や味を学習しているのです。

おしゃぶりを使用していると、手でものを掴んで口に持っていくことができないため、このような大事な学習の機会が無くなってしまいます。口の中に常にものが入っているため、声を出す機会も減ってしまいますので、成長に必要な様々な機会が失われてしまうのです。

このように、おしゃぶりは便利なアイテムである反面、多くの欠点を持っています。 使用しないことが一番であるとは言っても、便利なアイテムであるのは確かですので、もしお使いになる場合は特性をよく理解して、適切な時期に卒業させてあげられるようにしましょう。

声を出したり言葉を覚える1歳過ぎになったら、身に付けず常時使用しないようにし、2歳半くらいまでには完全に卒業できるようにしましょう。 おしゃぶりを使用している間も声をかけたり一緒に遊んだり、子供とのふれあいを大切にしましょう。

赤ちゃんや子供が一番望んでいるのは、おしゃぶりではなくお母さんや家族の愛情なのですから。

 
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