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上顎洞疾患・骨粗しょう症治療薬・抗凝固剤と歯科

りんご歯科クリニックでは、スタッフの知識と能力の向上を目的として、『横須賀市歯科医師会学術講演会』に参加しています。このページでは、その講演内容をレポート致します。

第2回の講演は、平成21年7月30日(木)に開催されました。演題『歯科領域から見た上顎洞疾患』〜要注意!!見抜けますか?上顎洞疾患が引き起こす隠れた歯科疾患〜ということで、神奈川歯科大学横浜クリニック口腔外科の増田元三郎先生による、上顎の歯に発症する疾患と、その上にある上顎洞という部分の疾患の関連性についての講演でした。スライドには、レントゲンやCTの画像、手術中の写真など貴重な資料が数多く含まれており、とても勉強になりました。当医院からは9名のスタッフが参加しました。

上顎洞とは?

講演のお話の前に、簡単に上顎洞についてご説明します。上顎洞というのは副鼻腔のひとつで、鼻腔(鼻の中の呼気の通り道)に隣接した骨の中にある鐘体状の空洞のことです。副鼻腔は全部で4つあり、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形洞といいます。鼻の病気「蓄膿症(ちくのうしょう)」は正式には副鼻腔炎と言って、これらの部分に炎症がある状態のことです。

上顎洞は副鼻腔の中で最も大きく、上顎の臼歯部と接近しているため、上顎臼歯部の疾患による影響を受けやすくなっています。また、副鼻腔の中で唯一外部との交通が空洞の上部にあるため、副鼻腔炎や歯性上顎洞炎になると完治までに時間がかかります。

今回の講演では、上顎洞の形態や歯根との距離など上顎洞の解剖についてや、歯性上顎洞炎などの上顎洞の疾患や顎補綴(顎の入れ歯)について。さらには、骨粗しょう症治療薬のビスフォスホネート系(BP系)製剤や、抗凝固剤を服用している患者様の治療に関する最新情報など、濃密な内容でした。

上顎洞の解剖

まずは上顎洞の解剖ということで、上顎洞や上顎洞底(口腔内に隣接する底の部分)の形態についてのお話でした。上顎の骨を様々な角度から撮影した写真で、細かく解説して頂きました。とても難しい内容ではありましたが、上顎洞周辺の各器官はとても接近していて、常に影響を与え合っているということが解りました。

特に第一大臼歯・第二大臼歯の歯根は上顎洞との距離がほとんど無く、抜歯をした際に抜歯窩(歯の埋まっていた穴)が上顎洞に孔を空け、一時的に口腔内と繋がった状態になることも多いそうです。また、虫歯などで歯が根っこだけになってしまった歯の抜歯など、状態によっては抜けた歯が上顎洞の中に入り込んでしまうことすら少なくないそうです。

今回の講演では特にお話はありませんでしたが、上顎にインプラントを入れる場合にも、口腔内と上顎洞との距離は非常に重要になってきます。歯科医療を行っていくうえで、上顎洞に関する知識を深めることがとても重要であることを改めて実感しました。

上顎洞の疾患

解剖学的な内容と平行して、上顎洞の疾患についてもお話がありました。歯性上顎洞炎(歯の炎症が上顎洞にまで及んでしまった状態)や、上顎洞に異物が入り込んでしまった状態、術後性上顎嚢胞(上顎洞の中に膿の袋ができてしまった状態)、上顎洞に発生した腫瘍など、こちらも様々な症例を写真やレントゲン、CT画像を元に解説して頂きました。

上顎洞は、CT画像などを用いることで中の様子を見ることこそ可能ですが、周りは壁に囲まれており、唯一の交通は上部のみですので、前述のような疾患の治療は、基本的に口腔内から上顎洞を切開しての手術になります。また、今回ご紹介頂いた症例の中には、症状の重篤な患者様も多く含まれており、目の淵から鼻の横を通って顎の手前までの広範囲で、顔面を外側から切り開くという大規模な手術の様子もお見せ頂きました。

また、顎補綴と呼ばれる、顎義歯(顎の入れ歯)の症例もありました。通常入れ歯と言うと、抜けてしまった歯の代わりに、歯の位置に合わせて人工歯を並べたものを思い浮かべますが、この顎義歯というものは、病気や外傷など何らかの理由によって欠損してしまった顎の骨を補うもので、入れ歯の上部に人工の上顎の骨を作ったものなのです。

これらのような重篤な症状の患者様が、個人の歯科医院を受診されることは、そう滅多にあることではありませんが、上顎洞に関することだけに留まらず、我々スタッフ全員が十分な知識を身に付けることで、万が一のときに、なんらかの異変の兆候があればそれを見逃さず、適切な対応がとれるよう、心がけて行きたいと思います。

BP系骨粗しょう症治療薬

BP系骨粗しょう症治療薬
今回の講演では、上顎洞に関連する内容の他に、骨粗しょう症治療薬や抗凝固剤と歯科診療の関連性についてもお話がありました。当医院では、どちらのお薬に関しても最新の情報に基づいて、既に適切な対応を行っておりますが、たくさんのデータを基にした詳しいお話を頂き、重要性を再認識することができました。(骨粗しょう症に関しては歯科用語辞典詳細『骨粗しょう症とBP系薬剤』をご覧下さい)

骨粗しょう症治療薬の中でも特にビスフォスフォネート系(以下BP系)と言われる薬剤は、破骨細胞と呼ばれる、古くなった骨の細胞を破壊する役割を持つ組織の働きを低下させることで、骨量の減少を抑制する効果があり、骨粗しょう症患者の骨が弱っていくのを抑制し、大腿骨骨折の危険性を減らすことができる画期的な薬剤です。また、悪性腫瘍の骨転移の治療にも効果があるそうです。

しかし数年前より、このBP系薬剤の投与を受けている患者様の、顎骨壊死や顎骨骨髄炎の発症が問題になっています。これらの症例は、BP系薬剤が直接の原因という訳ではなく、BP系薬剤の投与中に抜歯をするなど、顎の骨にダメージが与えられた場合にその部位の周辺で発症します。

発生頻度は、がんの既往の有無や投薬期間の長さでも変わりますが、リスクが高いと言われる注射製剤の投与中であっても全体の0.8〜1.2%で、誰もが発症する訳ではありませんが、診療前の問診による病歴や投薬状況の確認を徹底することで、そのリスクを解消することができる以上、スタッフ全員で危機意識を持ち、患者様の状況を細かく把握できるよう心がけたいと思います。

抗凝固剤と抗血小板薬

以前の考え方では、ワルファリンなどの抗凝固剤や、アスピリンなどの抗血小板薬のような、血液を固まらせないようにする薬品(抗血栓薬)を投与中に、観血処置(抜歯などの出血を伴う処置)を行う場合は、術後の大量出血を防ぐために、抗血栓薬の投与を一定期間停止して、処置後に再開するのが通例でした。しかし現在では、抗血栓薬の投与を継続したまま処置を行った方が、休薬した場合と比較して圧倒的にリスクが少ないという考え方が広まってきています。

抗血栓薬投与中の観血処置によるリスクは、血液が凝固しないことで起こる大量出血ですが、これが原因で重篤な症状に陥ることは少なく、現在では強制的に止血する方法などもあり、そのリスクはかなり解消されてきています。また、これらの抗血栓薬は、担当医師の診断の元に適切な状態にコントロールされており、そもそものリスク自体が非常に低いものなのだそうです。

それに対して、抗血栓薬を停止した場合のリスクは、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化など、血栓性・塞栓性疾患の発症リスクの上昇と、生命の危険を伴う非常に高いもので、一度発症してしまうと重篤な症状となり、予後も悪い場合が多いそうです。研究されてきた過去のデータでは、抗凝固薬ワルファリンであれば、休薬した場合に100回に1回の確率で血栓塞栓症が発症するそうです。

このように、それまで正しいと言われていた事であっても、研究によって別の解釈が生まれることは医療の世界においても、珍しいことではありません。常に新しい知識を得ていくことが大切です。

最後に

第2回の学術講演会は、上顎洞疾患についてのお話と、BP系骨粗しょう症薬や抗血栓薬についてのお話ということで、非常にたくさんの情報が詰まった充実した講演でした。

今後もコンスタントに学術講演会が開催される予定との事ですので、出来る限り多くのスタッフが参加し、診療に役立てていければと思います。

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あかりんご

学術講演会レポート

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